はじめに
電子通信作品デザインコンテスト(旧・論理設計作品コンテスト)は,大阪市立大学の学生のための年に1度の電子工作作品発表会です.論理設計の講義の一環として電子工作作品を自作して,発表会で作品をで披露します.優秀な作品には賞が与えられます.このコンテストに参加して,作る喜び,評価される喜び,仲間と交流する喜びを味わってみませんか.
講義担当からのメッセージ
 電気情報工学科では,ハードウェアエンジニアの育成を重要視した教育を進めています.自分で作るよりも買ってきた方が安いという現代社会において,敢えて電子回路製作に取り組むことで座学だけでは学べない実践的な知識やノウハウを身につけ,電子回路技術に関する理解度を深めます.自分でモノを作る楽しさを味わいつつ,アナログ回路技術,ディジタル回路技術,信号処理技術,通信技術などのさまざまな技術を修得します.これらは全て情報通信技術に繋がっています.自らの力で自主的に問題解決にあたる姿勢を学び,また,オリジナリティを生み出す力を養うことを目指しています.
 このため,電気情報工学科の講義科目「論理設計」と実験科目「電気情報工学実験B」においては,同時履修により,水曜日の3コマ(300分)の授業時間を確保し,集中かつ充実した教育が行える体制を採用しています.2021年度からは,前任の客員教授岡育生より授業を引き継ぎ,辻岡哲夫が担当しています.これまでの内容を踏襲しつつ,ワンチップマイコンを使った高度な回路技術や制御プログラム技術の学習内容を追加しました.半田付けについても学びます.「こだわりの半田付けテクニック」を手取り足取りで伝授します.「楽しいこと」「自ら電子回路設計が行えること」「将来において職場や生活で役立つこと」をモットーとしています.
 12月以降は,電子通信作品デザインコンテストの作品制作(製作)に取り組み,1月に,プレゼンテーションとデモンストレーションによる審査を行います.このコンテストは平成14年度にスタートしました.審査委員会における審査を経て,優秀な作品については表彰を行っています.最優秀作品には「井上賞」が与えられ,また,「優秀賞」や「敢闘賞」も設けられています.平成16年度からは,公益財団法人アイコム電子通信工学振興財団より,副賞として研究助成金が受賞者に授与されています.毎年,学生らによる多数の力作が応募されています.また,コンテスト終了後も,継続して電子回路製作に取り組む学生は多く,ぜひ,進学後あるいは社会に出てからも続けて欲しいと願っています.

辻岡哲夫
辻岡 哲夫
前講義担当からのメッセージ
電気情報工学科では,情報通信技術が社会に及ぼす影響を配慮し,時代の要請に応え得る,電子・情報・通信関係の広範囲な問題に対する適応能力を習得し,さらに,未知の問題を自らの手で解決していく自主性と独創性を持った人材を育成します.そこで,ソフトウェア技術とハードウェア技術を連携して修得するため,講義科目とは別に,「情報工学実験Ⅰ」~「情報工学実験Ⅳ」,ならびに,「プログラミング演習Ⅰ」~「プログラミング演習Ⅵ」を連続して開講しています.その中で,2年次配当科目の「情報工学実験Ⅱ」は,講義科目「論理設計」のペア科目となっており,両科目を通じて理論を応用するための実践的な電子回路技術を学びます.「情報工学実験Ⅱ」では,学生それぞれが自由な発想により,創意工夫して電子回路作品を製作します.平成14年度よりこれらの電子回路作品に対して,「論理設計作品コンテスト」,ならびにその「表彰式」を開催しています.コンテストでは,各自,製作作品のプレゼンテーションとデモンストレーションを行います.審査委員会による作品評価を行い優秀作品を表彰します.平成16年度以降は,財団法人「アイコム電子通信工学振興財団」の電子通信工学振興事業として開催助成を受けており,最優秀作品には「大阪市立大学工学部情報工学科井上賞」として,賞状に加えて副賞として賞金を授与しています.「井上賞」のほか,「優秀賞」や「敢闘賞」についても賞状と副賞が授与されます.例年,学生各自が苦労しながらも楽しんで製作した力作が出品されています.

岡 育生
関連リンク
大阪市立大学 工学部 電気情報工学科
財団法人アイコム電子通信工学振興財団
デジット
シリコンハウス共立
マルツパーツ館
秋月電子通商
千石電商